はじめまして、UNPLUG.という屋号でデザイン業務をしている吉岡ともうします。
このブログでは、ソーシャルセクターのためのデザインについて、様々な角度から、お役に立つ情報やデザインについての考察などを書いていきます。
自己紹介からはじめます。
高知県出身で、大学の入学タイミングで上京し、そのまま東京で就職し、今に至ります。2011年には、神奈川県相模原市に移住しています。大学は東京造形大学という美大でしたが、デザインの勉強もしましたが、どちらかというと大学では映画の勉強をしていました。
しかし最初の就職先は映画関係ではなく、アパレルメーカーのグラフィックデザイナーとして入社しました。その後すぐに広告制作会社に転職し、長く(本当に長く)デザイナーの修行をしました。
この会社での様々な経験が、今の自分の基礎を作ることになりました。スキルはもちろん、あらゆる部分で、自分を鍛えることになりました。
今でもその経験はかけがえのない財産になっていて、そうとうにハードではありましたが楽しかったこともそれと同じくらいたくさんあり、そこで働けてよかったなあと本当に感謝しています。
そして、2007年に退社して、独立し現在にいたります。
UNPLUG.をはじめた理由
一言でいうと、既存の広告デザインの現場の不毛さが嫌になっていたことです。
現場が相当に疲弊していながらも、次から次へと作っては壊しを繰り返し、そこで働くスタッフが評価されずに消費し続けていた環境で生まれたものが、人や社会をよくしたり、魅了したりするなど、僕自身がどうしても思えなくなったからです。
これは広告デザインの業界に限らず、あらゆる業界でも似たような構造があると思います。
日本が持つ構造的な問題なのかもしれませんが、とにかくそのような状況が繰り返されることに、自分はそこに未来を描けなくなり、広告業界から一旦距離を置く決意をしました。
ただし、広告業界から離れるだけで、デザインは自分にとって、とても大切なものなので、そう簡単には捨てられませんでした。
では、自分はこのデザインを連れだして、どこにいけばよいのでしょうか?
悩みました。
デザインが本当に有機的に機能する場所があるとするなら、それはいったいどこなのか?
全く見通しのきかない暗闇の中で、それでもまずはコンセプトを考えることからはじめました。
つまり、「デザインするということを、これからどうするのか」というデザインです。
Think Globally Act Locally
退職した2007年頃は、ちょうど環境問題がぐっとクローズアップされていたり、カーボンオフセットや自然エネルギーなどがじわじわと一般市民にも広がり始めていたころで、日本のあちこちにそういうムーブメントの息吹が生まれ始めていた頃でした。
そして、その新しい空気に希望を感じて、この動きをなんとかデザインと結びつけることはできないか、ということでいろいろ考えていく中で、コンセプトの萌芽がおぼろげに見えてきました。
そしてあるときに、Think Globally Act Locallyという1970年代の市民運動から使われてきたこの言葉を再発見しました。
「地球規模で考え、足元から行動せよ」
ピンときました! まさにこれだと思いました。
そこから生まれたコンセプトがAct Social By Design.です。この言葉は、名刺の裏に大きく大胆にいれてあります。
直訳すると「デザインによって社会的に行動せよ」というとても骨太なものです。
そこから「デザインの力を、社会の力に」というスローガンを導き出し、自分の進む方向性を確信して、ここから始めていくことを決意しました。
最初に悩んで悩んで決めたとても骨太なコンセプトは、その後も今に至るまで、時代の波を受けても流されることなく、いつでも新鮮に色褪せることはありません。
このコンセプトによって何よりも自分自身が励まされ、今も仕事に取り組む事ができています。
UNPLUG.という屋号もそんな中から生まれています。
世の中の常識をもう一度考え直そう、からみあった複雑なものを一旦全て外して(UNPLUG)、ゼロベースで考えよう、そして新たにつなぎ直そう(UNITE PLUG)という意味が込められています。
そうやって、UNPLUG.は小さな船出をしました。
ソーシャルセクターという領域について
UNPLUG.は「ソーシャルセクターのための、デザイン&広報支援」というドメインで活動しています。
ソーシャルセクターという言葉自体は、比較的新しいもので、90年代以降に生まれた言葉です。社会的課題の解決をする組織で、非営利だけでなく企業も含めるということで、現在は以前よりもその範囲が広がっています。それだけ問題や環境も多様化していっているということなのではないでしょうか。
企業のような非営利、または非営利のような企業、またまたその中間など、様々な形態が増えてきています。
一般的な認識としては、以下のようになります。
NPOセクター
政府セクター(国家)・営利セクター(企業)とは別の公益的な組織で構成されています。市民セクターや第三セクターとも呼びます。
NGOセクター
NGOは国連が作った定義で、国家とは異なる公的な役割を担う非営利組織です。国際連合憲章では、NGOは国連と連携を行う民間組織と定義されています。いわば国連と市民社会とを結びつける存在です。
この領域にデザインを最大限活用し、非営利セクターの活動が活性化することこそが、UNPLUG.を続ける意義であり、それが社会に小さな変化の波を起こすことができるのではないかと思いながら仕事を続けています。
デザインが社会に果たせることについて
WEBサイトやパンフレットは仕事の結果であり、成果物ではありますが、それによって、新たな人と人との関係が生まれ、社会が今よりも少しでもいいものになれることを願っています。
デザインが社会に果たせることは、僕が携わっている部分以外でももちろんまだまだたくさんあると思います。
自分自身のやれることは些細なことだとしても、そこからまた生まれてくる可能性みたいなものを信じています。
そして自分以外の多くの場所でそういう動きが生まれるとさらによい社会に近づける気がしています。
長々と書いてしまいました。。。
本日は以上になります。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。