唐突ですが、あらためてNPOってなんでしょう?
何のために活動を行うのでしょうか?
NPOとは、字のごとく非営利活動ですが、非営利ということは営利企業と違って、売上や企業資産などで、成果や価値を数値化・相対化できないことになります。
営利企業の目的は資本主義経済においては利益を最大化していくことです。指標化するものが資本、つまり数字なので可視化という意味では明確でわかりやすいと思います。
では、非営利ではどうでしょうか。
例えば、子育てを支援するNPOならば、活動を通して社会全体の子育て環境がよくなった、ということをどう社会全体に説明できるでしょうか?
あるいは相対的にどのように計量することができるでしょうか?
そもそもそんなことは難しくてできないので取り組む意味はないのでしょうか?
この記事ではNPOにとっての事業評価について簡単に書いてみたいと思います。
事業評価の必要性
非営利活動は、現在の社会に必要不可欠な活動です。
もっと団体活動を豊かに成長させるために、支援を求めている人や解決すべき社会課題に取り組むということを相対化、もっと簡単にいうと見える化するにはどうしたらよいのでしょうか?
NPOの活動が社会においてより重要になったり、大きくなってきたりして、助成金を使って事業活動を活性化させたり、また最近だとソーシャルインパクトボンドや休眠預金の活用などの選択肢も増えてきています。
そのような支援の場合、額面も大きくなり、その事業にかけられたお金に、どのくらいの成果が出たのかを第三者的に具体的に示すことを求められるようになってきました。
たしかに素朴に考えても、ステークホルダーにとって、まとまった資金を助成した以上、そういう成果が気になるのはしごく当然のことだと思います。またそれは自分たちの活動の結果に責任を持つためにも必要なことだといえるかもしれません。
事業評価を自ら行う
この事業活動の成果を説明したり、事業をもっと良くしていくことは総じて「評価」、あるいは「事業評価」と呼ばれます。この評価とは成果の可視化というイメージが先行し、難しそう、小さなNPOにはできなそう、と敬遠されてしまうこともあるかもしれません。
助成金を受けるためにというような、目的がないとなかなか実行できないかもしれませんし、評価を行うためにはかなり専門的な部分やエネルギーを使うことも多いと思います。
でも、数字に簡単に換算されてしまう企業価値とは違う、非営利ならではの評価を正しく取り組むことで、自分たちの活動を相対化したり、組織が抱える問題がわかったり、逆に外に対して明確にその成果を伝えることができたりします。
この評価というものを取り組もうとするNPOが増えていく中で、専用の研修プログラムがあったり、セミナーがあったり、また評価の専門家が実際に並走して支援してくれたり、様々な形で広がりをみせてきています。
評価とはつまり自己評価であり、サポートを受けるということになっても、自ら行うことにその意味があります。
事業評価とデザインの関係
UNPLUG.が評価の支援を直接行うことはありませんが、日頃提供しているデザイン支援についていえば、年次報告書やWEBサイト、または寄付支援のランディングページなどをデザインするときには、これらの評価などを行った団体ですと、広報戦略について、目的やターゲットも明確になりますので、生産的なクリエイティブ計画がつくりだせると考えています。また自己評価を行うことができるくらい、自分たちの活動を冷静に客観視できるので、慣習や思い込みなどによる戦略のブレが起こりづらくなります。
つまりのところ、NPOの活動を豊かにする事業評価とは「なんとなくのふりかえりで終わらせない」ということではないでしょうか。
ということで、非常に有意義な視点が得られる事業評価というものに取り組んでみることは団体の成長にとってかなり必要なことだと思いますので、機会あればぜひチャレンジすることをおすすめします。
なお、実際に非営利団体の事業評価を行うためには、概要を理解し実践するために、専門的な支援も必要になる場合もあります。
窓口として一番わかり易いのは日本NPOサポートセンターだと思いますのでまずは問い合わせてみるのもいいでしょう。
その他以下参考になりそうなリンクを張っておきますので、ぜひチェックしてみてください。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。